大学受験の基礎から東大レベルの応用まで、深く掘り下げて解説
有理数と無理数。無理数の定義と性質(√2が無理数であることの証明)。絶対値の定義と幾何学的意味。|x-a|が数直線上のxとaの距離を表すことを理解する。
[√2が無理数であることの証明]
√2が有理数と仮定すると、√2 = p/q (p, qは互いに素な自然数) と書ける。
2 = p^2/q^2 より、p^2 = 2q^2。
p^2が偶数なので、pも偶数。p = 2k (kは自然数) とおく。
(2k)^2 = 2q^2 より、4k^2 = 2q^2、すなわち 2k^2 = q^2。
q^2が偶数なので、qも偶数。
これはpとqが互いに素であるという仮定に矛盾する。
したがって、√2は無理数である。
3次式の展開・因数分解公式、対称式・交代式、降べきの順整理、たすき掛けを完璧にする。
(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3
a^3 + b^3 = (a+b)(a^2 - ab + b^2)
a^3 - b^3 = (a-b)(a^2 + ab + b^2)
[思考のポイント]
複雑な因数分解では、まず「共通因数でくくる」「最低次の文字で整理する」を試す。
多変数で次数が同じ場合は、どれか一つの文字で整理する。
一次不等式、二次不等式、連立不等式。絶対値を含む方程式・不等式は場合分けとグラフで解く。
[例] 不等式 |x-2| < 3 を解け。
定義により -3 < x-2 < 3
すべての辺に 2 を加えると -1 < x < 5
(グラフ的に: 2からの距離が3未満の点)
[思考のポイント]
絶対値の問題は、まず絶対値記号の中身が正か負かで場合分けを考える。
特に、|A| > B の形は A > B または A < -B と同値。
|A| < B の形は -B < A < B と同値。
y = ax^2 + bx + c を平方完成し、頂点座標(-b/2a, (4ac-b^2)/4a)を導出。グラフの軸と頂点の位置、下に凸・上に凸を把握し、平行移動の原理を理解する。
定義域がある場合の二次関数の最大・最小は、軸の位置と定義域の関係で場合分けが必要となる。軸が動く場合(パラメータを含む場合)は特に注意。図示して考えることが重要。
[例] y = x^2 - 2ax + a+2 (0≦x≦3) の最小値を求めよ。
y = (x-a)^2 - a^2 + a + 2
軸x=a の位置によって場合分け:
1) a < 0 のとき: x=0 で最小値 a+2
2) 0 ≦ a ≦ 3 のとき: x=a で最小値 -a^2 + a + 2
3) a > 3 のとき: x=3 で最小値 9 - 6a + a + 2 = -5a + 11
二次方程式 ax^2+bx+c=0 の解が特定の範囲にある条件。f(x)=ax^2+bx+c のグラフを考え、判別式D、軸の位置、区間の端点でのf(x)の符号の3つの条件で絞り込む。特に東大レベルでは、これらの条件を漏れなく、かつ重複なく設定する厳密さが問われる。
[思考のポイント]
解の配置問題は「グラフを描く」「軸・判別式・端点の符号」の3点セットで考える。
特に、異なる2つの実数解など、条件の厳密さを常に意識する。
sinθ, cosθ, tanθの定義と相互関係(sin^2θ+cos^2θ=1など)。単位円による定義で鈍角の三角比も理解する。
三角形の辺と角の関係を表す重要な定理。三角形の面積公式S = (1/2)ab sinCも。
正弦定理: a/sinA = b/sinB = c/sinC = 2R (Rは外接円の半径)
余弦定理: a^2 = b^2 + c^2 - 2bc cosA
[思考のポイント]
正弦定理は「対辺と対角」の関係が分かっているときに使う。
余弦定理は「2辺と挟む角」または「3辺」が分かっているときに使う。
空間内の辺の長さ、角度、体積を求める際に三角比を応用する。特に、正四面体や立方体など対称性の高い図形では、適切に断面を切り出して平面図形として考える。
[例] 一辺の長さがaの正四面体の体積を求めよ。
高さhを求めるために、頂点から底面への垂線の足を考える。
底面の重心が垂線の足になる。
底面は一辺aの正三角形なので、高さは (√3/2)a。重心までの距離は (√3/2)a * (2/3) = a/√3。
三平方の定理より h^2 + (a/√3)^2 = a^2
h^2 = a^2 - a^2/3 = 2a^2/3 → h = (√6/3)a
体積 V = (1/3) * (底面積) * h = (1/3) * (√3/4)a^2 * (√6/3)a = (√2/12)a^3
分散、標準偏差の定義。共分散と相関係数rの定義と解釈。相関係数は-1 ≦ r ≦ 1。データの特徴を数値とグラフの両面から捉える。
共分散: Sxy = (1/n) Σ(xi - x̄)(yi - ȳ)
相関係数: r = Sxy / (Sx * Sy) (Sx, Syはx, yの標準偏差)
[思考のポイント]
データの分析は単なる計算だけでなく、その数値が何を意味するのかを理解することが重要。
外れ値が与える影響なども考察できると良い。
順列nPr、組み合わせnCr、重複順列、重複組み合わせ。区別できるものとできないものの扱いの違い。
重複組み合わせ: nHr = (n+r-1)Cr
和の法則、積の法則、余事象の確率、独立試行の確率、反復試行の確率。
[例] 1個のサイコロを5回投げて、1の目がちょうど2回出る確率。
反復試行の確率: (5C2) * (1/6)^2 * (5/6)^3
P(A|B) = P(A∩B) / P(B)。事象Bが起こったという条件下での事象Aの確率。ベイズの定理は原因の確率を推定する際に用いる。
P(B|A) = P(A|B) * P(B) / P(A)
[思考のポイント]
「〜のとき、〜である確率」という文言があれば条件付き確率。
樹形図や表を使って視覚的に整理すると間違いにくい。
外心、内心、重心、垂心、傍心。それぞれの定義と性質、位置ベクトルの利用。特に重心は中線の交点であり、各中線を2:1に内分すること。
重心Gの位置ベクトル: G = (A+B+C)/3
平面図形の問題で、共線条件(3点が一直線上にある)や共点条件(3直線が1点で交わる)を示す際に有効。適用する辺と頂点の順序に注意。
[例: メネラウスの定理]
△ABCと直線Lが、辺AB, BC, CAまたはその延長とそれぞれ点P, Q, Rで交わる。
このとき、(AP/PB) * (BQ/QC) * (CR/RA) = 1 が成り立つ。
方べきの定理、接弦定理、円に内接する四角形の性質。これらを総合的に用いて辺の長さや角度を求める。
[思考のポイント]
図形問題は、まず与えられた条件を図に書き込む。
補助線を引く練習も重要。相似な図形や円周角など、隠れた条件を見つける。
素数、合成数、最大公約数、最小公倍数。ユークリッドの互除法による最大公約数の効率的な求め方。
a = bq + r (0≦r
a ≡ b (mod m) の意味と性質(和、差、積、冪乗の性質)。余りに着目する際に非常に強力なツール。
[例] 3^100 を 7 で割った余りを求めよ。
3^1 ≡ 3 (mod 7)
3^2 ≡ 9 ≡ 2 (mod 7)
3^3 ≡ 3*2 ≡ 6 ≡ -1 (mod 7)
3^100 = (3^3)^33 * 3^1 ≡ (-1)^33 * 3 ≡ -3 ≡ 4 (mod 7)
よって余りは 4。
一次不定方程式 ax + by = c の整数解。ユークリッドの互除法の逆のプロセスで特殊解を一つ見つけ、一般解を導く。
[ax + by = c の一般解]
特殊解 (x0, y0) が見つかれば、a(x-x0) + b(y-y0) = 0
a(x-x0) = -b(y-y0)
aとbの最大公約数をgとすると、a=ga', b=gb' (a', b'は互いに素)
a'(x-x0) = -b'(y-y0)
a'とb'は互いに素なので、x-x0 は b' の倍数。
x-x0 = b'k (kは整数) → x = x0 + (b/g)k
y-y0 = -a'k → y = y0 - (a/g)k
三次方程式、四次方程式の解法。因数定理、組立除法を利用し、複素数解も視野に入れる。特に、解と係数の関係は重要。
ax^3+bx^2+cx+d=0 の解を α, β, γ とすると、
α+β+γ = -b/a
αβ+βγ+γα = c/a
αβγ = -d/a
恒等式は「すべての変数に対して成り立つ等式」。係数比較法や数値代入法で解く。等式の証明は「左辺を変形して右辺にする」「両辺を引いて0にする」「両辺を変形して同じ式にする」など。
[思考のポイント]
恒等式では「係数比較法」と「数値代入法」がある。
数値代入法は計算が楽になることが多いが、その数値でしか成り立たない可能性がないか注意が必要(問題の文脈をよく読む)。
相加平均・相乗平均の不等式 (a+b)/2 ≧ √ab(a, b > 0)とその等号成立条件。(左辺) - (右辺) ≧ 0 を示すのが基本。シュワルツの不等式など、より高度な不等式も。
[コーシー・シュワルツの不等式]
(a^2 + b^2)(x^2 + y^2) ≧ (ax + by)^2
等号成立は a:b = x:y のとき
2点間の距離、内分点・外分点の公式。直線の傾き、方程式の種類(標準形、一般形、切片形)。2直線の平行・垂直条件。点と直線の距離の公式は必須。
点(x0, y0) と直線 Ax+By+C=0 の距離 d:
d = |Ax0 + By0 + C| / √(A^2 + B^2)
標準形 (x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2 と一般形。円と直線の位置関係(交点、接線、交わらない)。判別式や点と直線の距離で考える。
[思考のポイント]
円と直線の問題は、判別式を使うよりも「円の中心から直線までの距離と半径の比較」が計算が楽になることが多い。
軌跡は「動点(x, y)が満たす条件を式で表す」ことを意味する。領域は不等式で表される範囲。連立不等式で表される領域の図示。領域における最大・最小問題は線形計画法の基礎。
[例] 2点A(0,0), B(4,0) からの距離の比が 1:3 である点Pの軌跡を求めよ。
P(x,y) とすると PA:PB = 1:3
3PA = PB → 9PA^2 = PB^2
9(x^2 + y^2) = (x-4)^2 + y^2
これを整理すると、円の方程式になる (アポロニウスの円)。
指数法則を整数、有理数、実数へと拡張。特に、a^0=1, a^(-n)=1/a^n, a^(m/n) = n√a^m の定義。
y=a^x と y=log_a x は逆関数の関係。グラフの特徴、底の変換公式。対数計算の習熟。
底の変換公式: log_a M = log_b M / log_b a
[思考のポイント]
対数の真数条件 (真数>0) と底の条件 (底>0, 底≠1) を常に意識する。
特に、文字を含む対数不等式ではこれらを最初に確認する。
底が10の対数。桁数の問題や最高位の数字を求める問題に応用。近似値を利用した不等式評価。
[例] 2^100 は何桁の数か。log10 2 = 0.3010 とする。
log10 (2^100) = 100 * log10 2 = 100 * 0.3010 = 30.10
これは 30 <= log10 (2^100) < 31 を意味する。
よって 10^30 <= 2^100 < 10^31
2^100 は 31桁の数である。
定義 f'(x) = lim(h→0) {f(x+h) - f(x)} / h。積の微分、商の微分、合成関数の微分。
(fg)' = f'g + fg'
(f/g)' = (f'g - fg') / g^2
接線の傾きが導関数であること。f'(x)の符号で関数の増減を調べる。極大・極小値、最大・最小値。
[思考のポイント]
微分した結果、f'(x)=0 となる x の値だけでなく、その前後での f'(x) の符号変化に注目する。
グラフを丁寧に描き、極値と定義域の端点での値を比較して最大・最小値を決定する。
微分の逆演算が積分。不定積分は積分定数Cを忘れない。∫f(x)dx。定積分は面積、体積などに応用。区分求積法は定積分の定義。
∫[a,b] f(x) dx = F(b) - F(a) (F'(x) = f(x))
曲線とx軸、または曲線と曲線で囲まれた領域の面積。偶関数・奇関数の性質を利用した計算簡略化。回転体の体積(バウムクーヘン積分、パップス・ギルダンの定理の理解)。
[例] 曲線 y=x^2 と y=x+2 で囲まれた面積。
交点を求めると x^2 = x+2 → x^2-x-2=0 → (x-2)(x+1)=0
x = -1, 2
面積 = ∫[-1,2] ((x+2) - x^2) dx
= [(-1/3)x^3 + (1/2)x^2 + 2x] [-1,2]
= ((-8/3)+2+4) - ((1/3)+(1/2)-2) = (10/3) - (-7/6) = 20/6 + 7/6 = 27/6 = 9/2
一般項と和の公式。特に等比数列の和の公式はr=1の場合分けに注意。無限等比級数の収束条件と和。
等差数列の和: Sn = n(a1 + an) / 2 = n(2a1 + (n-1)d) / 2
等比数列の和: Sn = a1(r^n - 1) / (r-1) (r≠1), Sn = na1 (r=1)
隣接2項間、3項間漸化式。特性方程式を利用した解法。数列の極限(n→∞)も意識する。
[an+1 = pan + q 型の漸化式]
特性方程式: α = pα + q
これを解いて α を求める。
an+1 - α = p(an - α) と変形できる。
数列 {an - α} が公比pの等比数列になる。
自然数nに関する命題の証明手法。
[思考のポイント]
帰納法の仮定 (n=kで成り立つこと) を「必ず利用する」ことが重要。
不等式の証明では、仮定を利用するために式変形を工夫する必要がある。
ベクトルの加法、減法、実数倍。成分表示と幾何的表示。単位ベクトル。内積の定義と性質。垂直条件、平行条件。
内積: ベクトルa・ベクトルb = |a||