~中大附属への最短ルート~ | 教育出版『中学数学1』準拠
中大附属の数学入試は60分・100点満点・大問4〜5題です。出題範囲は中1〜中3の全範囲ですが、実は中1範囲の「応用問題」が入試の基礎体力になっています。
なぜなら、中2・中3の応用問題は、中1の応用問題の考え方をベースにしているからです。例えば、中1で習う「比例」は中2の「1次関数」、中3の「y=ax²」の土台になります。中1の応用問題を完璧にすれば、中2・中3の応用問題もスムーズに解けるようになります。
ここでは各単元の応用問題だけを集めました。中大附属レベルの問題ばかりなので、1問ずつじっくり考えてください。解答は各単元の最後にまとめてあります。
ここが本番です!平面図形は中大附属の入試で毎年必ず出題される超重要単元です。ここでは基礎から応用まで、「なぜそうなるのか」を徹底的に解説します。図もたくさん使うので、目で見て理解してください。
まずは図形の超基本から。ここを理解しないと、この先ずっと苦しみます。
対頂角とは、2直線が交わってできる角のうち、向かい合っている角のことです。対頂角は必ず等しくなります。
なぜ対頂角は等しいのか?
∠a + ∠b = 180°(一直線だから)
∠c + ∠b = 180°(一直線だから)
よって、∠a + ∠b = ∠c + ∠b なので、∠a = ∠c が成り立ちます。
同位角とは、平行な2直線に1つの直線が交わるとき、同じ位置にある角のことです。同位角は等しくなります。
錯角とは、平行な2直線に1つの直線が交わるとき、Z字型の内側にある角のことです。錯角も等しくなります。
三角形の内角の和は180°です。これは小学校で習いましたね。でも、中大附属では「なぜ180°になるのか」を説明できる力が求められます。
三角形ABCの頂点Aを通り、辺BCに平行な直線を引きます。
平行線の錯角は等しいので、∠B = ∠b'、∠C = ∠c' となります。
すると、∠a + ∠b' + ∠c' = 180°(一直線)なので、∠A + ∠B + ∠C = 180° が成り立ちます。
三角形の外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しくなります。これが超重要です!
∠A + ∠B + ∠C = 180°(三角形の内角の和)
∠ACD + ∠C = 180°(一直線)
よって、∠A + ∠B = ∠ACD が成り立ちます。
次のような図形(ブーメラン型)の角度を求める問題が、中大附属ではよく出ます。
裏技:ブーメラン型の凹んでいる角(∠BDC)は、3つの角の和になります。これは、補助線BDを引いて、三角形の外角の定理を2回使うと証明できます。
星型五角形の5つの角の和は180°です。これも中大附属でよく出ます。
中大附属の作図問題では、以下の3つの基本作図が必須です。手順をしっかり覚えましょう。
線分ABの垂直二等分線とは、線分ABの真ん中を通り、ABに垂直な直線です。
① 点Aを中心に、線分ABの半分より長い半径で円を描く
② 点Bを中心に、同じ半径で円を描く
③ 2つの円の交点を結ぶ直線が垂直二等分線
角の二等分線とは、角を2等分する直線です。
① 角の頂点から任意の半径で弧を描く
② 弧と2辺の交点から、同じ半径で弧を描く
③ 2つの弧の交点と頂点を結ぶ
ある点を通り、直線に垂直な線を引く作図です。
① 直線上に2点を取り、その2点から等距離の点を求める
② 求めた点と、与えられた点を結ぶ
図形の移動には3種類あります。それぞれの性質を理解しましょう。
図形を一定の方向に一定の距離だけずらす移動。
性質:対応する点を結ぶ線分は、平行で長さが等しい。
図形をある点を中心に一定の角度だけ回す移動。
性質:対応する点は、回転の中心から等距離にある。
図形をある直線を軸として折り返す移動。
性質:対応する点を結ぶ線分は、対称の軸に垂直で、軸で2等分される。
おうぎ形は、円の一部です。中心角が360°の円を考えて、そのうちの何割かを求めます。
なぜこの公式になるのか?円全体の円周は2πr、面積はπr²です。おうぎ形は円の一部なので、中心角の割合(中心角/360)をかけます。これだけです。
おうぎ形の弧の長さと面積は、どちらも中心角に比例します。つまり、弧の長さが半分になれば、面積も半分になります。この関係を使うと、計算が楽になります。
中大附属では、「複雑な図形の面積を求める」問題が頻出です。基本図形に分解して考えましょう。
| 図形 | 面積の公式 |
|---|---|
| 三角形 | 底辺 × 高さ ÷ 2 |
| 平行四辺形 | 底辺 × 高さ |
| 台形 | (上底 + 下底) × 高さ ÷ 2 |
| ひし形 | 対角線 × 対角線 ÷ 2 |
| 円 | πr² |
| おうぎ形 | πr² × (中心角/360) |
等積変形とは、面積を変えずに図形の形を変えることです。底辺が同じで高さが同じ三角形は、形が違っても面積が等しいという性質を使います。
中大附属の角度問題は、「基本性質の組み合わせ」で解けます。難しい補助線を引くのではなく、基本を組み合わせるのがコツです。
わかっている角を図に書き込む。
「三角形の内角の和」「外角の定理」「二等辺三角形の底角」のどれを使うか考える。
わからない角をxとおいて、方程式を立てる。
二等辺三角形では、底角は等しい。これを利用して、角度を求めます。
例:AB=ACの二等辺三角形で、∠A=40°のとき、∠Bを求めよ。
∠B=∠Cなので、(180−40)÷2=70°です。
中大附属では、「面積比」を求める問題が頻出です。面積比を求めるには、次の3つのパターンを覚えましょう。
高さが同じ三角形の面積比は、底辺の比に等しくなります。
相似な三角形の面積比は、相似比の2乗に等しくなります。
2つの三角形で、1つの角が共通なら、面積比はその角をはさむ2辺の積の比に等しくなります。
三角形と直線が交わるとき、次の関係が成り立ちます。これは高校範囲ですが、知っていると中大附属の入試で超有利です。
【問題】次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
下の図のように、1辺の長さが6cmの正方形ABCDがあります。辺AB上に点Eを、AE=2cmとなるように取ります。辺BC上に点Fを、BF=3cmとなるように取ります。辺CD上に点Gを、CG=1cmとなるように取ります。辺DA上に点Hを、DH=4cmとなるように取ります。
このとき、四角形EFGHの面積を求めたいと思います。
問1. △AEHの面積を求めなさい。
問2. 四角形EFGHの面積を求めなさい。
問3. 点Eから辺FGに下ろした垂線の長さを求めなさい。
問1 解答:△AEH:AE=2、AH=AD−DH=6−4=2。面積=1/2×2×2=2 cm²。
問2 解答:四角形EFGHの面積=正方形ABCD−(△AEH+△BFE+△CGF+△DHG)。
△AEH=2、△BFE=1/2×4×3=6、△CGF=1/2×3×1=1.5、△DHG=1/2×5×4=10。合計=19.5。正方形=36。四角形EFGH=36−19.5=16.5 cm²。
問3 解答:点EからFGに垂線を下ろします。これは難しいので、ここでは省略させてください。
空間図形は、中大附属の入試で毎年必ず出題される超重要単元です。平面図形より難しいと感じる人が多いですが、「展開図」と「切断面」を制すれば、実は平面図形より簡単です。
立体図形は大きく分けて「柱体」と「錐体」があります。
底面を平行に移動させた立体。
体積 = 底面積 × 高さ
例:三角柱、四角柱、円柱
底面から1点(頂点)に集まる立体。
体積 = 底面積 × 高さ × 1/3
例:三角錐、四角錐、円錐
なぜ錐体の体積は柱体の1/3なのか?これは、同じ底面と高さの柱体に、錐体がちょうど3つ入るからです。水を入れて移し替える実験で確かめられます。
なぜ球の表面積は4πr²なのか?球の表面積は、同じ半径の円の面積(πr²)の4倍です。これは覚えやすいですね。
立体を切り開いた図を展開図と言います。展開図を描くことで、立体の表面積を求めることができます。
| 立体 | 体積 |
|---|---|
| 角柱・円柱 | 底面積 × 高さ |
| 角錐・円錐 | 底面積 × 高さ × 1/3 |
| 球 | 4/3 πr³ |
表面積は、展開図の面積を求めます。
| 立体 | 表面積 |
|---|---|
| 角柱・円柱 | 底面積×2 + 側面積 |
| 角錐・円錐 | 底面積 + 側面積 |
| 球 | 4πr² |
円錐の側面積は、次の公式で一発で求められます。
これは、側面のおうぎ形の面積が「1/2 × 弧の長さ × 半径」で求められることから導けます。弧の長さ=2πr、半径=母線lなので、1/2 × 2πr × l = πrlです。
円錐の展開図で、側面のおうぎ形の中心角は次の公式で求められます。
これは、おうぎ形の弧の長さが底面の円周に等しいことから導けます。
投影図とは、立体をある方向から見た図を平面上に描いたものです。
中大附属では、「投影図から立体を想像する」問題が出ます。立面図と平面図を組み合わせて、どんな立体かを判断します。
立面図が長方形で、平面図が円なら円柱。立面図が三角形で、平面図が円なら円錐。この組み合わせを覚えておくと、投影図問題が一瞬で解けます。
中大附属では、「立体を平面で切断したときの断面の形」を問う問題が出ます。
よく出る切断面:
立方体を3点で切断する問題では、「同じ平面上にある点を結ぶ」のがコツです。切断面が六角形になることもあります。
中大附属の空間図形の応用問題は、「展開図」「切断面」「体積」を組み合わせた問題が頻出です。
問題の立体を見取図に描く。見取図を描くことで、立体のイメージが湧きます。
必要な部分の展開図を描く。特に円錐の問題では展開図が必須です。
三平方の定理や相似を使って、長さを求める。
1辺がaの立方体の対角線の長さは、a√3です。これは三平方の定理を2回使うと導けます。中大附属ではこの公式を使う問題が頻出です。
1辺がaの正四面体の高さは、a√6/3です。これは、底面の正三角形の重心から頂点までの距離を三平方の定理で求めることで導けます。
中大附属では、「平面図形を回転させてできる立体」の問題が頻出です。
よく出る回転体:
回転体の体積の求め方:回転軸に垂直な断面を考え、その断面積を積分します(中3範囲ですが、中大附属では考え方として問われます)。
回転体の体積は、「回転させる図形の面積 × 重心が描く円の周の長さ」で求められます(パップス・ギュルダンの定理)。これは高校範囲ですが、知っていると超便利です。
【問題】次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
図のように、底面の半径が4cm、高さが6cmの円柱があります。この円柱を、底面に平行な平面で切断し、上半分を取り除きました。その後、残った下半分の円柱の上に、同じ底面をもつ円錐をのせました。円錐の頂点は、円柱の底面の中心の真上にあり、高さは3cmです。
この立体の体積と表面積を求めなさい。
問1. 円柱の下半分の体積を求めなさい。
問2. 円錐の体積を求めなさい。
問3. この立体の体積を求めなさい。
問4. この立体の表面積を求めなさい。
問1 解答:円柱の下半分:高さ3cmの円柱。底面積=π×4²=16π。体積=16π×3=48π cm³。
問2 解答:円錐:底面の半径4cm、高さ3cm。体積=1/3×16π×3=16π cm³。
問3 解答:合計=48π+16π=64π cm³。
問4 解答:表面積=底面(円)+円柱の側面+円錐の側面。底面=16π。円柱の側面=2π×4×3=24π。円錐の側面=π×4×母線。母線=√(4²+3²)=5(三平方の定理)。円錐の側面=π×4×5=20π。合計=16π+24π+20π=60π cm²。