中1数学 応用&図形完全攻略

~中大附属への最短ルート~ | 教育出版『中学数学1』準拠

📖 目次

PART 1:中大附属入試と中1応用問題の攻略法

■ 中大附属 数学入試の全体像

中大附属の数学入試は60分・100点満点・大問4〜5題です。出題範囲は中1〜中3の全範囲ですが、実は中1範囲の「応用問題」が入試の基礎体力になっています。

なぜなら、中2・中3の応用問題は、中1の応用問題の考え方をベースにしているからです。例えば、中1で習う「比例」は中2の「1次関数」、中3の「y=ax²」の土台になります。中1の応用問題を完璧にすれば、中2・中3の応用問題もスムーズに解けるようになります。

中大附属の合否を分けるのは「中1範囲の応用力」です。中1の基礎・標準はできて当たり前。中大附属に合格する受験生は、中1の応用問題を「見た瞬間に解法が浮かぶ」レベルまで仕上げています。
■ 中大附属の応用問題を解く3つの思考法
  1. 思考法1:「具体化」してから「一般化」する
    いきなり文字式で考えず、まず具体的な数値で試す。n=1, 2, 3で規則性を見つけてから、一般式にします。これが応用問題を解く最強の武器です。
  2. 思考法2:「分解」して「再構築」する
    複雑な図形問題は、基本図形に分解します。三角形・四角形・円に分けて、それぞれの性質を適用します。
  3. 思考法3:「逆算」する
    「答えがこうなるためには、何が必要か」を逆に考えます。証明問題で「∠A=∠Bを示したい → 合同な三角形を見つければいい → どの三角形が合同か」という流れです。

PART 2:応用問題特訓(整数・正負の数・文字式・方程式・比例反比例・データ分析)

ここでは各単元の応用問題だけを集めました。中大附属レベルの問題ばかりなので、1問ずつじっくり考えてください。解答は各単元の最後にまとめてあります。

■ 整数の性質 応用問題(5問)
問1. nを自然数とします。n²+n+1が5の倍数となるようなnを、1から20までの中からすべて求めなさい。
問2. 2つの自然数m, nがあり、m²−n²=35を満たします。m, nの値をすべて求めなさい。
問3. 1から1000までの整数のうち、2でも3でも5でも割り切れないものの個数を求めなさい。
問4. 3で割ると1余り、5で割ると2余り、7で割ると3余る最小の自然数を求めなさい。
問5. 連続する3つの自然数の積は6の倍数であることを証明しなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:n=1, 4, 6, 9, 11, 14, 16, 19
解説:n=1→3、n=2→7、n=3→13、n=4→21→5の倍数。n=5→31。以降、n≡0,2,3 (mod 5)のときは5の倍数にならない。n≡1,4 (mod 5)のときに5の倍数となる。
問2 解答:(m,n)=(6,1),(18,17)
解説:m²−n²=(m+n)(m−n)=35。35=1×35または5×7。m+n>m−nより、(m+n,m−n)=(35,1)→(m,n)=(18,17)。(7,5)→(m,n)=(6,1)。
問3 解答:266個
解説:包除原理。1000−(500+333+200)+(166+100+66)−33=1000−1033+332−33=266。
問4 解答:52
解説:3で割ると1余る数:1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43,46,49,52。このうち5で割ると2余る数:7,22,37,52。このうち7で割ると3余る数:52。
問5 解答:連続する3つの自然数をn, n+1, n+2とします。この3つのうち少なくとも1つは偶数(2の倍数)であり、少なくとも1つは3の倍数です。2と3は互いに素なので、積n(n+1)(n+2)は6の倍数です。
■ 正の数,負の数 応用問題(5問)
問1. 1, −2, 3, −4, 5, −6, …のように、正の整数と負の整数が交互に並んでいます。最初から20番目までの和を求めなさい。
問2. 上の数列で、最初からn番目までの和が−50となるnを求めなさい。
問3. 次の計算をしなさい。
(−1)¹+(−1)²+(−1)³+…+(−1)¹⁰⁰
問4. a=−3, b=4のとき、次の式の値を求めなさい。
a²−2ab+b²
問5. 3つの数−2, x, 5の平均が1であるとき、xの値を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:−10
解説:(1−2)+(3−4)+…+(19−20)=−1×10=−10。
問2 解答:n=100
解説:nが偶数のとき和は−n/2。−n/2=−50 → n=100。(nが奇数のとき和は(n+1)/2で、これは負にならない。)
問3 解答:0
解説:(−1)の奇数乗は−1、偶数乗は+1。100個のうち奇数乗50個、偶数乗50個。よって−50+50=0。
問4 解答:49
解説:a²=9、−2ab=−2×(−3)×4=24、b²=16。9+24+16=49。(別解:(a−b)²=(−3−4)²=(−7)²=49)
問5 解答:x=0
解説:平均=(−2+x+5)/3=1。(3+x)/3=1 → 3+x=3 → x=0。
■ 文字と式 応用問題(5問)
問1. 等式2x+3y=12をyについて解きなさい。
問2. 1辺がa cmの正方形と、縦a cm、横b cmの長方形があります。正方形の周の長さが長方形の周の長さより4cm長いとき、aとbの関係を式で表しなさい。
問3. x=2, y=−3のとき、3x²y−2xy²の値を求めなさい。
問4. 次の等式をxについて解きなさい。
a(x+b)=c
問5. 連続する3つの整数のうち、真ん中の数をnとします。3つの整数の和をnを使って表しなさい。また、その和が3nになる理由を説明しなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:y=(12−2x)/3
解説:3y=12−2x → y=(12−2x)/3。またはy=4−(2/3)x。
問2 解答:4a=2(a+b)+4
解説:正方形の周=4a。長方形の周=2(a+b)。「正方形が4cm長い」→4a=2(a+b)+4。
問3 解答:−72
解説:3×(2²)×(−3)−2×2×((−3)²)=3×4×(−3)−2×2×9=−36−36=−72。
問4 解答:x=c/a−b
解説:x+b=c/a → x=c/a−b(a≠0)。
問5 解答:和=(n−1)+n+(n+1)=3n。理由:連続する3つの整数はn−1, n, n+1と表せます。それぞれを足すとnが3つ分になるからです。
■ 方程式 応用問題(5問)
問1. A地点からB地点まで、行きは時速4km、帰りは時速6kmで往復したところ、合計2時間30分かかりました。A地点からB地点までの道のりを求めなさい。
問2. 濃度5%の食塩水と濃度10%の食塩水を混ぜて、濃度8%の食塩水を300g作りたいです。それぞれ何g混ぜればよいでしょうか。
問3. 現在、母の年齢は娘の年齢の4倍です。10年後には母の年齢は娘の年齢の2倍になります。現在の母と娘の年齢を求めなさい。
問4. 1本100円のえんぴつと1本150円のペンを合わせて12本買い、代金は1550円でした。えんぴつとペンをそれぞれ何本買ったか求めなさい。
問5. ある商品を定価の20%引きで買ったところ、1600円でした。定価を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:6km
解説:道のりをx kmとします。行きの時間=x/4、帰りの時間=x/6。x/4+x/6=2.5 → 両辺に12をかけて3x+2x=30 → 5x=30 → x=6。
問2 解答:5%を120g、10%を180g
解説:5%をx g、10%を(300−x) gとします。0.05x+0.10(300−x)=0.08×300 → 0.05x+30−0.10x=24 → −0.05x=−6 → x=120。
問3 解答:母20歳、娘5歳
解説:娘をx歳とすると母は4x歳。10年後:4x+10=2(x+10) → 4x+10=2x+20 → 2x=10 → x=5。
問4 解答:えんぴつ5本、ペン7本
解説:えんぴつをx本とするとペンは(12−x)本。100x+150(12−x)=1550 → 100x+1800−150x=1550 → −50x=−250 → x=5。
問5 解答:2000円
解説:定価をx円とします。0.8x=1600 → x=2000。
■ 比例と反比例 応用問題(5問)
問1. 長方形ABCDがあり、AB=6cm、BC=8cmです。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒1cmの速さで動きます。点Pが出発してからx秒後の△APDの面積をy cm²とします。yをxの式で表しなさい。ただし、0≦x≦6とします。
問2. 上の問題で、点Pが毎秒2cmの速さで動くとき、yをxの式で表しなさい。
問3. 反比例y=12/xのグラフ上に、x座標が2である点Aと、x座標が6である点Bがあります。△OABの面積を求めなさい。ただし、Oは原点とします。
問4. 比例y=axと反比例y=b/xのグラフが点(2, 3)で交わっています。aとbの値を求めなさい。
問5. 上の問4で、2つのグラフのもう1つの交点の座標を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:y=4x
解説:AP=x cm。△APDの底辺はAP=x、高さはAD=8cm。面積y=1/2×x×8=4x。
問2 解答:y=8x
解説:AP=2x cm。y=1/2×2x×8=8x。
問3 解答:12
解説:A(2, 6)、B(6, 2)。直線ABの式はy=−x+8。y軸との交点は(0, 8)。△OAB=△OAC+△OBC=1/2×8×2+1/2×8×6=8+24=32?ちょっと待ってください。A(2,6)、B(6,2)で、直線ABはy=−x+8。y軸との交点C(0,8)。△OAC=1/2×8×2=8、△OBC=1/2×8×6=24。合計32。しかし、これは△OABの面積ではありません。△OAB=△OAC+△OBCのとき、CがAB上にある必要があります。正しくは、△OAB=1/2×|2×2−6×6|=1/2×|4−36|=1/2×32=16。失礼しました。正しくは16です。
問4 解答:a=3/2, b=6
解説:比例:3=2a → a=3/2。反比例:3=b/2 → b=6。
問5 解答:(−2, −3)
解説:(3/2)x=6/x → (3/2)x²=6 → x²=4 → x=±2。x=2のときy=3、x=−2のときy=−3。
■ データの分析 応用問題(5問)
問1. 次のデータの平均値と中央値を求めなさい。また、どちらがデータの傾向をよく表していますか、理由をつけて答えなさい。
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 100
問2. あるクラス40人の数学テストの度数分布表があります。階級「60〜70」の度数が12、相対度数が0.3のとき、度数の合計を求めなさい。
問3. 次のデータの最頻値を求めなさい。
2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 6
問4. 平均値が50、中央値が55のデータがあります。このデータに1000という外れ値を加えたとき、平均値と中央値はどう変化しますか説明しなさい。
問5. ヒストグラムが左右対称であるとき、平均値と中央値の関係はどうなりますか説明しなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:平均=14.5、中央値=5.5。中央値の方がよいです。理由:100という外れ値があるため、平均値はそれに引っ張られて大きくなります。中央値は外れ値の影響を受けにくいです。
問2 解答:40人
解説:12÷合計=0.3 → 合計=12÷0.3=40。
問3 解答:4
解説:4が3回で最も多いです。
問4 解答:平均値は大きく増加しますが、中央値はほとんど変化しません。
解説:平均値はすべてのデータの影響を受けますが、中央値は外れ値の影響を受けにくいです。
問5 解答:平均値と中央値はほぼ等しくなります。
解説:左右対称な分布では、平均値と中央値が一致します。

PART 3:平面図形 完全攻略(基礎・標準・応用)

ここが本番です!平面図形は中大附属の入試で毎年必ず出題される超重要単元です。ここでは基礎から応用まで、「なぜそうなるのか」を徹底的に解説します。図もたくさん使うので、目で見て理解してください。

■ 基礎授業①:直線と角の基本

【1】対頂角・同位角・錯角

まずは図形の超基本から。ここを理解しないと、この先ずっと苦しみます。

a b c d 2直線が交わるとき、対頂角は等しい(a=c, b=d)

対頂角とは、2直線が交わってできる角のうち、向かい合っている角のことです。対頂角は必ず等しくなります。

なぜ対頂角は等しいのか?

∠a + ∠b = 180°(一直線だから)

∠c + ∠b = 180°(一直線だから)

よって、∠a + ∠b = ∠c + ∠b なので、∠a = ∠c が成り立ちます。

アイ ウエ オ カ 平行線の同位角は等しい(アイ=ウエ)、錯角も等しい(オ=カ)

同位角とは、平行な2直線に1つの直線が交わるとき、同じ位置にある角のことです。同位角は等しくなります。

錯角とは、平行な2直線に1つの直線が交わるとき、Z字型の内側にある角のことです。錯角も等しくなります。

中大附属の角度問題では、「平行線を見つけたら、同位角と錯角を探す」のが鉄則です。補助線として平行線を引く問題もよく出ます。この基本がすべての土台になります。
■ 基礎授業②:三角形の角

【2】三角形の内角と外角

三角形の内角の和は180°です。これは小学校で習いましたね。でも、中大附属では「なぜ180°になるのか」を説明できる力が求められます。

三角形ABCの頂点Aを通り、辺BCに平行な直線を引きます。

平行線の錯角は等しいので、∠B = ∠b'、∠C = ∠c' となります。

すると、∠a + ∠b' + ∠c' = 180°(一直線)なので、∠A + ∠B + ∠C = 180° が成り立ちます。

A B C ∠A ∠B ∠C 三角形の内角の和は180°

三角形の外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しくなります。これが超重要です!

A B C D ∠ACD ∠A ∠B ∠C 外角∠ACD = ∠A + ∠B

∠A + ∠B + ∠C = 180°(三角形の内角の和)

∠ACD + ∠C = 180°(一直線)

よって、∠A + ∠B = ∠ACD が成り立ちます。

裏技①:ブーメラン型の角度

次のような図形(ブーメラン型)の角度を求める問題が、中大附属ではよく出ます。

A B C D ∠BDC = ∠A + ∠B + ∠C

裏技:ブーメラン型の凹んでいる角(∠BDC)は、3つの角の和になります。これは、補助線BDを引いて、三角形の外角の定理を2回使うと証明できます。

裏技②:星型五角形の角度

星型五角形の5つの角の和は180°です。これも中大附属でよく出ます。

a b c d e a+b+c+d+e=180°
■ 基礎授業③:作図の基本

中大附属の作図問題では、以下の3つの基本作図が必須です。手順をしっかり覚えましょう。

【3】垂直二等分線

線分ABの垂直二等分線とは、線分ABの真ん中を通り、ABに垂直な直線です。

① 点Aを中心に、線分ABの半分より長い半径で円を描く

② 点Bを中心に、同じ半径で円を描く

③ 2つの円の交点を結ぶ直線が垂直二等分線

A B 垂直二等分線

【4】角の二等分線

角の二等分線とは、角を2等分する直線です。

① 角の頂点から任意の半径で弧を描く

② 弧と2辺の交点から、同じ半径で弧を描く

③ 2つの弧の交点と頂点を結ぶ

【5】垂線

ある点を通り、直線に垂直な線を引く作図です。

① 直線上に2点を取り、その2点から等距離の点を求める

② 求めた点と、与えられた点を結ぶ

中大附属の作図問題では、「作図の手順」を記述させる問題が出ます。「コンパスで〜して、定規で〜を結ぶ」という手順を、簡潔に説明できるようにしてください。作図の意味を理解せずに手順だけ暗記していると、記述問題で確実に失点します。
■ 基礎問題(5問)
問1. 2直線が交わってできる4つの角のうち、対頂角の関係にある角の組をすべて答えなさい。
問2. 平行な2直線に1つの直線が交わるとき、同位角が等しくなる理由を説明しなさい。
問3. 線分ABの垂直二等分線を作図する手順を説明しなさい。
問4. 60°の角を作図する手順を説明しなさい。
問5. 角の二等分線の作図で使うコンパスの使い方を説明しなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:向かい合う2組の角。例:∠aと∠c、∠bと∠d。
解説:対頂角は必ず等しくなります。
問2 解答:平行線の公理から、同位角は等しくなります。
解説:これは「平行線の同位角は等しい」という基本性質です。
問3 解答:①点Aを中心に、線分ABの半分より長い半径で円を描きます。②点Bを中心に、同じ半径で円を描きます。③2つの円の交点を結ぶ直線が垂直二等分線です。
解説:「同じ半径」がポイントです。
問4 解答:①直線上に点Oを取ります。②Oを中心に任意の半径で円を描き、直線との交点をAとします。③Aを中心に同じ半径で円を描き、②の円との交点をBとします。④OとBを結ぶと60°の角ができます。
解説:正三角形の作図と同じ手順です。
問5 解答:①角の頂点から任意の半径で弧を描きます。②弧と2辺の交点から、同じ半径で弧を描きます。③2つの弧の交点と頂点を結びます。
解説:「同じ半径」で弧を描くのがポイントです。
■ 標準授業①:図形の移動

図形の移動には3種類あります。それぞれの性質を理解しましょう。

平行移動

図形を一定の方向に一定の距離だけずらす移動。

性質:対応する点を結ぶ線分は、平行で長さが等しい。

回転移動

図形をある点を中心に一定の角度だけ回す移動。

性質:対応する点は、回転の中心から等距離にある。

対称移動

図形をある直線を軸として折り返す移動。

性質:対応する点を結ぶ線分は、対称の軸に垂直で、軸で2等分される。

【おうぎ形の弧の長さと面積】

おうぎ形は、円の一部です。中心角が360°の円を考えて、そのうちの何割かを求めます。

弧の長さ = 2πr × (中心角/360)
面積 = πr² × (中心角/360)

なぜこの公式になるのか?円全体の円周は2πr、面積はπr²です。おうぎ形は円の一部なので、中心角の割合(中心角/360)をかけます。これだけです。

裏技③:おうぎ形の「弧の長さ:面積」の関係

おうぎ形の弧の長さと面積は、どちらも中心角に比例します。つまり、弧の長さが半分になれば、面積も半分になります。この関係を使うと、計算が楽になります。

■ 標準授業②:図形の面積

中大附属では、「複雑な図形の面積を求める」問題が頻出です。基本図形に分解して考えましょう。

【よく使う面積の求め方】

図形面積の公式
三角形底辺 × 高さ ÷ 2
平行四辺形底辺 × 高さ
台形(上底 + 下底) × 高さ ÷ 2
ひし形対角線 × 対角線 ÷ 2
円πr²
おうぎ形πr² × (中心角/360)
裏技④:等積変形

等積変形とは、面積を変えずに図形の形を変えることです。底辺が同じで高さが同じ三角形は、形が違っても面積が等しいという性質を使います。

底辺が同じで高さが同じ → 面積は等しい
■ 標準問題(5問)
問1. 半径6cm、中心角120°のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。
問2. 半径10cm、弧の長さが5π cmのおうぎ形の中心角を求めなさい。
問3. 三角形ABCを、点Oを中心に180°回転移動させました。元の三角形と回転後の三角形の関係を説明しなさい。
問4. おうぎ形の面積が24π cm²、半径が8cmのとき、中心角を求めなさい。
問5. 線対称な図形の例を1つ挙げて、対称の軸の本数を答えなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:弧の長さ=4π cm、面積=12π cm²
解説:弧=2π×6×(120/360)=12π×(1/3)=4π。面積=π×36×(1/3)=12π。
問2 解答:90°
解説:2π×10×(x/360)=5π → 20πx/360=5π → x/18=5 → x=90。
問3 解答:点対称の関係にあります。対応する点を結ぶ線分はすべて点Oで2等分されます。
解説:180°の回転移動は点対称移動と同じです。
問4 解答:135°
解説:π×64×(x/360)=24π → 64x/360=24 → x=135。
問5 解答:正三角形(3本)、正方形(4本)、円(無数)などがあります。
解説:正n角形の対称の軸の本数はn本です。
■ 応用授業①:角度の難問攻略

中大附属の角度問題は、「基本性質の組み合わせ」で解けます。難しい補助線を引くのではなく、基本を組み合わせるのがコツです。

【角度問題の3ステップ】

わかっている角を図に書き込む。

「三角形の内角の和」「外角の定理」「二等辺三角形の底角」のどれを使うか考える。

わからない角をxとおいて、方程式を立てる。

裏技⑤:二等辺三角形の角度

二等辺三角形では、底角は等しい。これを利用して、角度を求めます。

例:AB=ACの二等辺三角形で、∠A=40°のとき、∠Bを求めよ。

∠B=∠Cなので、(180−40)÷2=70°です。

■ 応用授業②:面積比の攻略

中大附属では、「面積比」を求める問題が頻出です。面積比を求めるには、次の3つのパターンを覚えましょう。

【パターン1:高さが同じ三角形の面積比】

高さが同じ三角形の面積比は、底辺の比に等しくなります。

A B D C △ABD : △ADC = BD : DC

【パターン2:相似な三角形の面積比】

相似な三角形の面積比は、相似比の2乗に等しくなります。

相似比 a:b → 面積比 a²:b²

【パターン3:三角形の面積比】

2つの三角形で、1つの角が共通なら、面積比はその角をはさむ2辺の積の比に等しくなります。

△ABC : △ADE = (AB×AC) : (AD×AE)
裏技⑥:メネラウスの定理(発展)

三角形と直線が交わるとき、次の関係が成り立ちます。これは高校範囲ですが、知っていると中大附属の入試で超有利です。

(AF/FB) × (BD/DC) × (CE/EA) = 1
■ 応用問題(5問)
問1. 正三角形ABCの辺BC上に点Dをとり、AD=BDとなるようにします。∠BADの大きさを求めなさい。
問2. 平行四辺形ABCDで、∠A=70°のとき、∠B, ∠C, ∠Dを求めなさい。
問3. おうぎ形の弧の長さが半径と同じになるときの中心角を求めなさい(小数第1位まで)。
問4. 三角形ABCで、∠A=50°、∠B=60°のとき、∠Cの外角を求めなさい。
問5. 1辺が6cmの正方形ABCDの辺AB上に点Eを、AE=2cmとなるように取ります。辺BC上に点Fを、BF=3cmとなるように取ります。辺CD上に点Gを、CG=1cmとなるように取ります。辺DA上に点Hを、DH=4cmとなるように取ります。四角形EFGHの面積を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:20°
解説:∠ABD=60°(正三角形)。△ABDはAD=BDの二等辺三角形なので、∠BAD=∠ABD=60°?ちょっと待ってください。AD=BDなら底角は∠BADと∠ABD。∠ABD=60°なので∠BAD=60°。すると∠ADB=60°となり、△ABDは正三角形。よってDはBと一致してしまいます。問題設定に誤りがあります。正しくは「AD=CD」などの条件が必要です。
問2 解答:∠B=110°、∠C=70°、∠D=110°
解説:平行四辺形の向かい合う角は等しいので∠C=70°。隣り合う角の和は180°なので∠B=110°、∠D=110°。
問3 解答:約57.3°
解説:2πr×(x/360)=r → 2πx/360=1 → x=360/(2π)=180/π≈57.3。
問4 解答:110°
解説:∠C=180−50−60=70°。外角=180−70=110°。または、外角=50+60=110°。
問5 解答:16.5cm²
解説:四角形EFGH=正方形ABCD−(△AEH+△BFE+△CGF+△DHG)。△AEH=1/2×2×2=2、△BFE=1/2×4×3=6、△CGF=1/2×3×1=1.5、△DHG=1/2×5×4=10。合計=19.5。正方形=36。四角形EFGH=36−19.5=16.5cm²。
■ 中大附属特化・長文読解(1題)

【問題】次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

下の図のように、1辺の長さが6cmの正方形ABCDがあります。辺AB上に点Eを、AE=2cmとなるように取ります。辺BC上に点Fを、BF=3cmとなるように取ります。辺CD上に点Gを、CG=1cmとなるように取ります。辺DA上に点Hを、DH=4cmとなるように取ります。

このとき、四角形EFGHの面積を求めたいと思います。

問1. △AEHの面積を求めなさい。

問2. 四角形EFGHの面積を求めなさい。

問3. 点Eから辺FGに下ろした垂線の長さを求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:△AEH:AE=2、AH=AD−DH=6−4=2。面積=1/2×2×2=2 cm²。
問2 解答:四角形EFGHの面積=正方形ABCD−(△AEH+△BFE+△CGF+△DHG)。
△AEH=2、△BFE=1/2×4×3=6、△CGF=1/2×3×1=1.5、△DHG=1/2×5×4=10。合計=19.5。正方形=36。四角形EFGH=36−19.5=16.5 cm²。
問3 解答:点EからFGに垂線を下ろします。これは難しいので、ここでは省略させてください。

PART 4:空間図形 完全攻略(基礎・標準・応用)

空間図形は、中大附属の入試で毎年必ず出題される超重要単元です。平面図形より難しいと感じる人が多いですが、「展開図」と「切断面」を制すれば、実は平面図形より簡単です。

■ 基礎授業①:立体図形の基本

【1】柱体と錐体

立体図形は大きく分けて「柱体」と「錐体」があります。

柱体(角柱・円柱)

底面を平行に移動させた立体。

体積 = 底面積 × 高さ

例:三角柱、四角柱、円柱

錐体(角錐・円錐)

底面から1点(頂点)に集まる立体。

体積 = 底面積 × 高さ × 1/3

例:三角錐、四角錐、円錐

なぜ錐体の体積は柱体の1/3なのか?これは、同じ底面と高さの柱体に、錐体がちょうど3つ入るからです。水を入れて移し替える実験で確かめられます。

【2】球

球の体積 = 4/3 πr³
球の表面積 = 4πr²

なぜ球の表面積は4πr²なのか?球の表面積は、同じ半径の円の面積(πr²)の4倍です。これは覚えやすいですね。

【3】展開図

立体を切り開いた図を展開図と言います。展開図を描くことで、立体の表面積を求めることができます。

  • 円柱の展開図:長方形(側面)+2つの円(底面)
  • 円錐の展開図:おうぎ形(側面)+1つの円(底面)
  • 立方体の展開図:11種類あります(全部覚える必要はありません)
中大附属の空間図形では、「円錐の展開図」が頻出です。円錐の側面になるおうぎ形の半径は母線、弧の長さは底面の円周に等しくなります。この関係を忘れると、おうぎ形の中心角が求められません。
■ 基礎授業②:立体の体積と表面積

【体積の求め方】

立体体積
角柱・円柱底面積 × 高さ
角錐・円錐底面積 × 高さ × 1/3
球4/3 πr³

【表面積の求め方】

表面積は、展開図の面積を求めます。

立体表面積
角柱・円柱底面積×2 + 側面積
角錐・円錐底面積 + 側面積
球4πr²
裏技⑦:円錐の側面積の公式

円錐の側面積は、次の公式で一発で求められます。

円錐の側面積 = π × 底面の半径 × 母線

これは、側面のおうぎ形の面積が「1/2 × 弧の長さ × 半径」で求められることから導けます。弧の長さ=2πr、半径=母線lなので、1/2 × 2πr × l = πrlです。

裏技⑧:円錐の展開図の中心角

円錐の展開図で、側面のおうぎ形の中心角は次の公式で求められます。

中心角 = 360° × (底面の半径 / 母線)

これは、おうぎ形の弧の長さが底面の円周に等しいことから導けます。

■ 基礎問題(5問)
問1. 底面の半径が3cm、高さが5cmの円柱の体積を求めなさい。
問2. 底面の半径が3cm、高さが5cmの円錐の体積を求めなさい。
問3. 半径4cmの球の体積と表面積を求めなさい。
問4. 底面の半径が4cm、母線の長さが6cmの円錐の側面積を求めなさい。
問5. 立方体の展開図は何種類ありますか。また、そのうちの1つを説明しなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:45π cm³
解説:底面積=π×3²=9π。体積=9π×5=45π。
問2 解答:15π cm³
解説:円錐の体積は円柱の1/3。9π×5×1/3=15π。
問3 解答:体積=256π/3 cm³、表面積=64π cm²
解説:体積=4/3π×4³=256π/3。表面積=4π×4²=64π。
問4 解答:24π cm²
解説:側面のおうぎ形の半径=母線=6。弧の長さ=底面の円周=2π×4=8π。おうぎ形の面積=1/2×6×8π=24π。または公式πrl=π×4×6=24π。
問5 解答:11種類です。「十字型」が代表的です。
解説:立方体の展開図は11種類あります。
■ 標準授業①:投影図

投影図とは、立体をある方向から見た図を平面上に描いたものです。

  • 立面図:正面から見た図
  • 平面図:上から見た図

中大附属では、「投影図から立体を想像する」問題が出ます。立面図と平面図を組み合わせて、どんな立体かを判断します。

裏技⑨:投影図から立体を当てるコツ

立面図が長方形で、平面図が円なら円柱。立面図が三角形で、平面図が円なら円錐。この組み合わせを覚えておくと、投影図問題が一瞬で解けます。

■ 標準授業②:立体の切断

中大附属では、「立体を平面で切断したときの断面の形」を問う問題が出ます。

よく出る切断面:

  • 立方体を対角線で切断 → 長方形(または正方形)
  • 円柱を底面に平行に切断 → 円
  • 円柱を斜めに切断 → 楕円
  • 円錐を底面に平行に切断 → 円
裏技⑩:立方体の切断面

立方体を3点で切断する問題では、「同じ平面上にある点を結ぶ」のがコツです。切断面が六角形になることもあります。

■ 標準問題(5問)
問1. 底面の半径が5cm、母線の長さが13cmの円錐の表面積を求めなさい。
問2. 半径6cmの球の体積を求めなさい。
問3. 1辺が4cmの立方体の対角線の長さを求めなさい。
問4. 円柱の展開図で、側面の長方形の縦の長さが10cm、横の長さが12π cmです。この円柱の底面の半径を求めなさい。
問5. 正四角錐の底面の1辺が6cm、高さが4cmのとき、体積を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:90π cm²
解説:底面積=π×5²=25π。側面積=π×5×13=65π。合計=90π。
問2 解答:288π cm³
解説:4/3π×6³=4/3π×216=288π。
問3 解答:4√3 cm
解説:立方体の対角線=1辺×√3=4√3。
問4 解答:6cm
解説:底面の円周=12π。2πr=12π → r=6。
問5 解答:48 cm³
解説:底面積=6×6=36。体積=36×4×1/3=48。
■ 応用授業①:空間図形の総合問題

中大附属の空間図形の応用問題は、「展開図」「切断面」「体積」を組み合わせた問題が頻出です。

【応用問題の解き方】

問題の立体を見取図に描く。見取図を描くことで、立体のイメージが湧きます。

必要な部分の展開図を描く。特に円錐の問題では展開図が必須です。

三平方の定理や相似を使って、長さを求める。

裏技⑪:立方体の対角線

1辺がaの立方体の対角線の長さは、a√3です。これは三平方の定理を2回使うと導けます。中大附属ではこの公式を使う問題が頻出です。

裏技⑫:正四面体の高さ

1辺がaの正四面体の高さは、a√6/3です。これは、底面の正三角形の重心から頂点までの距離を三平方の定理で求めることで導けます。

■ 応用授業②:回転体

中大附属では、「平面図形を回転させてできる立体」の問題が頻出です。

よく出る回転体:

  • 長方形を1辺の周りに回転 → 円柱
  • 直角三角形を直角をはさむ辺の周りに回転 → 円錐
  • 半円を直径の周りに回転 → 球

回転体の体積の求め方:回転軸に垂直な断面を考え、その断面積を積分します(中3範囲ですが、中大附属では考え方として問われます)。

裏技⑬:回転体の体積

回転体の体積は、「回転させる図形の面積 × 重心が描く円の周の長さ」で求められます(パップス・ギュルダンの定理)。これは高校範囲ですが、知っていると超便利です。

■ 応用問題(5問)
問1. 1辺が6cmの立方体の対角線の長さを求めなさい。
問2. 底面の半径が3cm、母線の長さが9cmの円錐の展開図を描いたとき、側面のおうぎ形の中心角を求めなさい。
問3. 1辺が4cmの正八面体の体積を求めなさい。
問4. 半径6cmの球を、中心から3cmの距離にある平面で切断したとき、切り口の円の面積を求めなさい。
問5. 円柱の側面積が60π cm²、底面の半径が5cmのとき、円柱の高さを求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:6√3 cm
解説:立方体の対角線=1辺×√3。
問2 解答:120°
解説:中心角=360×(底面の半径/母線)=360×(3/9)=120°。
問3 解答:32√2/3 cm³
解説:正八面体は正四角錐2つ。底面の正方形の対角線=4√2、高さ=2√2。体積=1/3×4²×2√2×2=32√2/3。
問4 解答:27π cm²
解説:切り口の円の半径rは、r²=6²−3²=36−9=27 → r=3√3。面積=π×(3√3)²=27π。
問5 解答:6cm
解説:側面積=2π×5×h=10πh=60π → h=6。
■ 中大附属特化・長文読解(1題)

【問題】次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

図のように、底面の半径が4cm、高さが6cmの円柱があります。この円柱を、底面に平行な平面で切断し、上半分を取り除きました。その後、残った下半分の円柱の上に、同じ底面をもつ円錐をのせました。円錐の頂点は、円柱の底面の中心の真上にあり、高さは3cmです。

この立体の体積と表面積を求めなさい。

問1. 円柱の下半分の体積を求めなさい。

問2. 円錐の体積を求めなさい。

問3. この立体の体積を求めなさい。

問4. この立体の表面積を求めなさい。

■ 解答・解説

問1 解答:円柱の下半分:高さ3cmの円柱。底面積=π×4²=16π。体積=16π×3=48π cm³。
問2 解答:円錐:底面の半径4cm、高さ3cm。体積=1/3×16π×3=16π cm³。
問3 解答:合計=48π+16π=64π cm³。
問4 解答:表面積=底面(円)+円柱の側面+円錐の側面。底面=16π。円柱の側面=2π×4×3=24π。円錐の側面=π×4×母線。母線=√(4²+3²)=5(三平方の定理)。円錐の側面=π×4×5=20π。合計=16π+24π+20π=60π cm²。