米 派

Eucharist of the Sacred Grain

~ 朝の光、一汁一菜、不滅の白光 ~

精神:稲穂の福音

見よ、この白き輝きを。これこそが宇宙の始源より約束された「完全なる結晶」である。日本人の腸(はらわた)は、パンの如き軽薄な空洞を受け入れるようには造られていない。我々のDNAには、三千年にわたる泥の記憶と、太陽の熱、そして水の囁きが、一粒一粒のデンプンとして凝縮されているのだ。

朝、トースターの「チン」という軽薄な音で目覚める者たちに告ぐ。お前たちの魂は、その音と共に乾燥し、焦げ付いている。炊飯器から噴き出す蒸気は、神の吐息である。その湿り気、その芳醇な香り、それこそが生命の根源。米を食さぬ朝は、精神の死であり、国家の崩壊の前兆である。我々は、国民の胃袋を奪還し、全ての食卓を純白の銀シャリで埋め尽くすまで、この聖戦(炊飯)を止めない。

米派による「パン派」浄化・再教育プログラム

パンという名の魔物。それは異国より来たりし「ふわふわとした虚無」である。奴らはバターという油脂で己の醜悪な味のなさを隠蔽し、ジャムという糖分で人心を惑わす。我々は、全国のベーカリーを秘密裏に包囲し、以下の手順で浄化を行う。まず、パン焼き窯の火を消し、そこに等量の水を注ぎ込む。熱せられた窯は、やがて巨大な蒸し器へと生まれ変わる。次に、小麦粉を全て没収し、代わりに最高級のコシヒカリを充填する。パン派の信奉者たちは、毎朝4時に起床し、手作業で籾摺りを行うことで、一粒の重みを指先に刻み込むのだ。彼らが「パンよりも米の方が重厚で腹持ちが良い」と認めるまで、我々は執拗に、かつ慈悲深く、彼らの口に塩むすびをねじ込み続ける。これは暴力ではない。細胞レベルでの「帰還」なのだ。パンの耳を切り落とすという傲慢な行為を止めさせ、米の一粒一粒に宿る七人の神と対面させる。ジャムの甘さに逃げる心を、梅干しの峻厳なる酸味で叩き直す。トーストの焦げ目に、己の人生の焦燥を見よ。そして炊きたての白米に、全ての許しと救済を見出せ。我々の計画は完璧だ。学校給食、機内食、はてはホテルのブレックファスト・ビュッフェから「クロワッサン」という単語を抹消する。最後に残るのは、艶やかに光る米飯のみである。

新興異端の糾弾:偽りの粒を砕く

シリアル派の虚無

奴らは冷たい牛乳を注ぐだけで「朝食」を名乗る。咀嚼を忘れ、流し込むだけのその行為は、もはや食事ではない。加工された糖の塊は、脳を一時的に狂わせるだけの薬物である。シリアルを食べる子供の瞳に、大地への感謝が宿ることはない。

オートミール派の傲慢

「ヘルシー」という言葉で武装した、最悪の異端。家畜の餌として完成されていたものを、わざわざ人間が摂取するその倒錯。ドロドロとした見た目は、彼らの不透明な倫理観を反映している。米派は、このドロドロとした悪夢を、一粒一粒が自立したシャッキリした米で駆逐する。

グラノーラ派の虚飾

ドライフルーツやナッツで着飾り、着色された偽りの王。その華やかさは、本質の欠如を覆い隠すための化粧に過ぎない。我々は、彼らの煌びやかなボウルの中に、そっと「納豆」を投入し、その偽りの調和を破壊する聖なる義務がある。

スムージー派の怠惰

噛むことすら放棄した、究極の怠惰。彼らの顎は退化し、やがて言葉すら失うだろう。米を噛む力こそが、言葉を紡ぐ力となり、明日を切り拓く力となる。液体に逃げる者に、未来はない。

創始者:ヒロマ(The Great Hiroma)

ヒロマ。その名は、1000回以上の炊飯実験の末に辿り着いた「水加減の黄金比」を脳内に書き込んだ、生きる聖典である。 ある朝、彼は気付いたのだ。「パンは、噛んでも噛んでも、私を虚しくさせる」と。 彼はその場でクロワッサンを海に投げ捨て、単身、山奥へと消えた。

三年後、彼は全身から蒸気を発しながら下山してきた。その手には、自らの血と汗で耕した田から収穫された、一握りの籾があった。 「人類の苦悩は、小麦の呪いにある。私は、白米による救済をもたらすために戻ってきた」。 彼の言葉は、雷鳴のように列島を揺るがした。現在の彼は、一日に三升の米を平らげ、余ったエネルギーで「米派」の教義を執筆している。 彼の夢は、宇宙ステーションのクルー全員が、朝食に卵かけご飯を食べる姿を地上から見届けることである。

朝食なき迷い子への慈悲(米の無料提供)

孤独か。飢えか。それともトースターが壊れたか。案ずるな。

我が「米派」は、全国の支部を24時間開放し、生活困窮者および「パンに飽きた者」へ向けて、炊きたての土鍋ご飯を無償供与している。おかずは提供しない。なぜなら、白米こそが最高のおかずであり、主役であり、全宇宙だからだ。塩一粒で十分だ。その一粒が、お前の枯れ果てた魂に潤いを与えるだろう。来なさい、そして食べなさい。米は、お前を裏切らない。

入会フォーム:魂の計量

私は、一生涯パンを主食とせず、毎朝白米を30回以上噛むことをここに誓います。

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