TOEI BUS ARCHIVE

Document #7358

01. フロントシンボルの変遷

都営バスの前面、いわば「顔」の中央にマークが貼付されるようになったのは、W代の都市型超低床車からでした。当時はまだ、左右対称にレイアウトされたシンプルな車椅子マークが、バリアフリー時代の幕開けを象徴していました。

平成5年度(Z代)を迎えると、環境意識の高まりとともに大きな変化が訪れます。低公害車やアイドリングストップ(IS)車であることを示す東京都環境局のキャラクター、「エコツムリ」が登場。平成11年度には、扉側に車椅子マーク、運転席側にエコツムリという、長く親しまれる配置が確立されました。

RARE DATA シークレットみんくるの存在

平成18年末、アイドリングストップが標準化されると、エコツムリはその役目を終え、マスコットキャラクター「みんくる」へと一斉に交代しました。通常は水色地の10種類のポーズがありますが、江東L108車には、夜空の下でくつろぐ「シークレットみんくる」が隠されています。

02. 異色のハイブリッド「X代」

都営バスの歴史において、技術的に最もユニークな存在の一つが、平成24年度にわずか8台のみ導入された「いすゞエルガハイブリッド」です。日野製ハイブリッド車とは異なる、独自の並列駆動システム(パラレル式)を採用しています。

最大の特徴は、エンジンとモーターの間に配置されたクラッチです。これにより、発進時にはエンジンをアイドリング状態に保ったまま、モーターのトルクのみで静粛に発進するという、他の車両にはない独特の走行体験を実現しました。

ハイブリッド方式 米国イートン社製 パラレル式ハイブリッド
変速システム 自動変速式MT (AMT)
外観上の特徴 最後部窓の閉塞・黒色塗装
特殊インターフェース 足元設置型 エンジン再起動ペダル

その高い専門性と独特な運転操作ゆえに、現在これらの車両は新宿・青戸・臨海などの委託車庫に集約されています。限られた数しか存在しない「静かなる実力者」は、今も都内の特定路線でその希少な姿を現しています。